真夏でも靴下をはかないと眠れないぐらいに手足が冷えてしまっているという症状のある女性Aさんが来院されました。
Aさんは食事に気をつけたり、体操をしてみたりと冷えをとる努力をされてきたそうですが、冷えは取れなかったそうです。
実際に手足を触らせてもらうと、とても冷たかったです。。
でも、私がそれ以上に気になったのは、Aさんの背中や肩甲骨まわりがガチガチに固まっていたことでした。
施術で肩甲骨まわりを刺激すると、手足が温かくなるのを実感されました。
施術を受け始めて間もないころは、数日たたずにもとに戻ってしまいましたが、施術を何度も繰り返すうちに徐々に手足の温かさをたもつことができるようになっていきました。
施術を継続して、Aさんは夏に靴下をはかなくても眠れるようになりました。
では、どうして肩甲骨まわりをほぐすことが冷え性改善に有効なのでしょうか?
人の身体を左の横側から見た図です。
緑色の線が背骨に沿って首から腰まで存在している、交感神経です。その交感神経のなかでも、「星状神経節」とよばれる部分は肩甲骨の近くにあり、ここが異常に興奮していると、リラックスしにくくなる、とされています。ですから、この星状神経節の異常興奮を抑えるために、肩甲骨まわりをほぐすことが有効なのではないかと考えています。
この図は、東洋医学からみたエネルギーの流れを示したものです。「星状神経節」の場所は、東洋医学的な観点からみたエネルギーが詰まりやすい場所のひとつである肩甲骨まわりの近くにあります。
風邪のひき初めには肩甲骨まわりをあたためる
東洋医学の施術では、子供の風邪の引き初めには、肩甲骨の内側を温めるという方法がとられてきました。そのことを応用して、現代では市販のお灸やドライヤーの温風で温めるという方法があります。
東洋医学では風邪は、身体が冷えを追い出すためのもの、と考えるのです。その冷えを追い出すための施術ポイントが肩甲骨の内側にあるわけです。このことは、クーラーの普及で冷えやすい現代の私たちの身体にも応用できることだと思います。すなわち、肩甲骨周囲を刺激して、冷えをとれ!ですね。
肩甲骨まわりがこっていると、緊張した状態がずっと続くことになるのです。
そうなると当然筋肉がかたまり、、血流も悪くなります。血流の悪化のサインは主に手足などの末端部に出てきます。手足の血流が悪くなることで慢性的な冷えの自覚症状が出てきたのではないか、と考えることができるのです。
肩甲骨まわりをほぐすことは冷え性の改善にも効果が見込めると考えております。
「どこに行ってもよくならない」