スマホを使うことが日常ですが、眼の疲れも増えていると感じます。目の疲れに聞く食品やサプリ、などの情報もたくさんあげられています。実際に試してみた方もおられると思います。
目が疲れたとき、目頭を押さえたりしている人もおられると思います。そういったことからまず最初に思い浮かぶのは、眼のまわりにあるツボや筋肉を刺激するということではないでしょうか?
しかし、眼のまわりを刺激しても効果が一時的なものであることが多いのではないでしょうか?そこで今回は私の経験から実感する、目の疲れにより一層効果的な場所についてご紹介したいと思います。
眼に効果的なツボの発見
今日まで、鍼灸師としてもさまざまな方を施術する機会にめぐまれました。
そのなかで、次のようなケースがありました。
当時70歳代の女性の方で、眼の疾患(加齢性黄斑変性症)をわずらっていた方です。
その方は明暗は分かるけれども視力は非常に低下している状態で、これ以上の悪化を防ぎたい、なんとか維持したいという願いを持っておられました。
そこで、施術ベッドにうつぶせになってもらい、肩甲骨の内側に非常に浅いハリをしました。すると、「眼にスーッとする感じがひびいてくる」とおっしゃいました。
「眼の中にエネルギーが直接入ってきた」ように感じられた、とその患者さんは表現されました。
施術後には「視野がとても明るくなった」
と喜んでいただきました。
それから来院されるたびにその患者さんとふたりでヒビキが出るところをさがし、必ず目の中にエネルギーが入ってくる感覚を再現することができるようになりました。
この施術体験は、私に「肩甲骨の内側には、頭の中・眼までひびくように影響を与えることができる場所がある」という気づきを与えてくれました。
その場所は、膏肓(こうこう)とよばれています。
ここで取り上げているのは鍼治療をした加齢性黄斑変性症のケースです。でも、鍼を使わない整体刺激でも同じように再現することができます。眼の疲労感やかすみに効果が期待できるのです。
膏肓のツボの位置
図は上半身を背中側からみたものです。点線は肩甲骨の内側を示しています。下に肩甲骨のまわりを施術中の画像をのせています。
肩甲骨の裏側と内側を施術中。
患者さんに横向きで寝てもらい、肩甲骨の内側・裏側を刺激してゆるめています。ここのところに膏肓というツボがあるわけです。
肩甲骨の裏側と肋骨の間に手を差し込んでいます。
一般的に「肩甲骨はがし」といわれていますが、無理やり差し込んではいません。
肩甲骨の裏側と肋骨の間がひろがる姿勢になったときに差し込むので、患者さんに安全で負担がない手技として提供できるのです。
この場所をある特定の強さで刺激することで、膏肓のツボのとどこおりを解消することができるのです。