「病、膏肓(こうこう)に入る」ということわざを聞いたことはありませんか?
このことわざは、中国の晋という国の景公という皇帝の話です。
簡潔にまとめると次のような内容です。
病気になった景公は名医を呼んで治してもらおうとしました。
名医の到着を待っていた皇帝の夢の中に病気が童子の姿で現れ、言います。
「名医がやってくるから、見つからないよう膏肓に隠れよう」
そのあと到着した名医は景公を診断して、
「病が膏肓に入っているので、治すことができない」と告げたのでした。
この故事から、「病、膏肓に入る」ということわざができました。
このツボが、肩甲骨の内側の真ん中あたりにあるのですね。
今では、このことわざの意味は、治らないぐらい夢中になっているさまをあらわしますが、もともとは肩甲骨の内側に病気が入り込むと手の施しようがない、という意味だったのです。
背中が張る、肩がこるという症状があるとき、このツボにも反応が出てきますが、それは治せないくらいの重病ということではありませんので、ご安心くださいね。
ですが、ここのツボはしっかりと刺激して、とどこおりを無くした状態にはしておきたいです。なぜなら・・・このツボがとどこおると以下のような症状が出てくるからです。
膏肓のツボがとどこおっているときのよくある症状とは。
・胸の痛み、動悸がする
・鼻づまりや匂いがわかりにくい
・眼のかすみ
・耳鳴り
・歯ぐきが腫れる
・原因不明と診断された腕のしびれや違和感
など、肩や背中以外の場所にも症状が出ることもあるのです。ツボの位置から考えると関係ないと思ってしまいがちですが。。
膏肓のツボの位置です。図は上半身を背中側からみたものです。点線は肩甲骨の内側を示しています。下に肩甲骨のまわりを施術中の画像をのせています。
膏肓のとどこおりを解消するために、肩甲骨まわりをほぐすことが有効なのです。
さらに、身体的側面に加えて、心理的側面からでてくる不調もあるんです。
肩甲骨の裏側と内側を施術中。
患者さんに横向きで寝てもらい、肩甲骨の内側・裏側を刺激してゆるめています。ここのところに膏肓というツボがあるわけです。
肩甲骨の裏側と肋骨の間に手を差し込んでいます。
一般的に「肩甲骨はがし」といわれていますが、無理やり差し込んではいません。
肩甲骨の裏側と肋骨の間がひろがる姿勢になったときに差し込むので、患者さんに安全で負担がない手技として提供できるのです。
この場所をある特定の強さで刺激することで、膏肓のツボのとどこおりを解消することができるのです。
膏肓のツボのとどこおりが無くなったときに感じる意外なコトとは?
肩甲骨のまわりを施術中に患者さんからよく言われるコトバがあります。
それは、「鼻が通ってきた!」というオドロキをともなった感想です。
「施術中に鼻のとおりがよくなる」なんて今まで想像したこともなかった、と喜ばれる方が多いです。(個人差があります)
鼻が通るということは、頭の活性化がおこったということです。
「眼から鼻へ抜ける」
という頭の働きがバツグンであることを例えたことわざがありますが、鼻が通るということは頭の働きが活性化していることにもつながる嬉しいシグナルなのですね。
最近では認知症の初期症状に、「ものの匂いがわからなくなる」ということも報告されています。鼻が通るという施術は脳の活性化にも役立つと思います。
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膏肓のツボがとどこおっている、と自覚できる人はあまりいません。
けれども、鼻や目の症状や不調の原因となっている場合もあります。
お薬に頼ってみる前や、お薬の効果がイマイチの場合に、膏肓のツボのとどこおりを解消する効果の高い「肩甲骨整体」を試してみてください。
肩甲骨整体を受けたあなたは、その他の不調も改善される可能性があります。
じつはあまり知られていませんが、症状や不快感には、治っていく方向があります。
症状や不快感が改善に向かっているときは、症状が頭の方向へと移動します。
図でも示しましたが、健康な人のエネルギーは必ず足から頭上に向けて流れています。
したがって、不快な症状も頭上に向けて押し出されるように動いていきます。
腰痛のある人は、良くなるにつれて肩や首へと痛みやコリが移動し、さらに頭上へと抜けていきます。
下図のように抜けていくのです。
理想的な、とどこおりの解消イメージ
図のように両肩と身体の中心軸から計3本のエネルギーが「抜けて」身体のなかにあった症状やとどこおりが解消されていきます。
肩を底辺として3本のエネルギーの流れを見ると。
漢字が現れてきます。その字は・・
自筆です(💦)。漢字の「山」はエネルギーの流れを型どりしたものだと体感しています。
山のように生きる。はじまりは肩甲骨から。
山のような、という言葉はどこか遠い誰かのものではありません。
このページを見ているあなたのものです。
「山」という漢字に象徴されるように、心身が健康な人はだれでもこのような状態になっています。ですが、さまざまなところでとどこおってしまっていて、「山」のような実感をもって生活しにくいのも事実です。
しかし、肩甲骨整体を受けることで、「山」という実感をもって生きることに近づいていくことが期待できます。
そのために、肩甲骨まわりをほぐし、膏肓のとどこおりを解消する必要があるのです。
興味を持たれた方は、ぜひ施術を体験してみてください。
お待ちしております。